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PENTAX
EI−2000
定地撮影
東京湾・有明埠頭
EI−2000はデジタルカメラとしては希薄な光学一眼レフカメラであり、しかもコンシューマー向けCCDとしては最大サイズの2/3インチの大きな画像素子を搭載し、更に受光面積を稼げる珍しいFT方式まで採用、更に更に200万画素に画素数を抑えたベストマッチング、一言で言えば「すんばらしーっ」カメラでありますが、どうした事か発売から半年もたたずに「生産終了」!そんな悲運なカメラだったりします。 次期後継機種として300万画素のEI−3000も噂には出ていますが、単に画素数を上げただけであって、はっきり言って200万画素で2/3インチCCDの受光面積からすれば、同じ一眼レフタイプとしてはE−10を軽く上回る階調表現の豊かさを備えているんですよ(理論値であって実際はそう簡単には行かない)。生産終了するにはもったいないです。 しかしこのカメラ、スペック以上に凄いのは「ジャジャ馬」な所。これをねじふせて撮影しない限りは良い写真は撮れない点が、「簡単オートにパっと綺麗な写真が撮れるのが当たり前」の進化した今現在のデジタルカメラ技術から取り残されてしまった点が「話題にならなかった」理由なのでしょう。 デジタルカメラはカメラ自体がコンピューターの塊なので「ソフトウェア」によって動いています。そのソフトウェアの良し悪しがカメラの良し悪しに直接繋がってしまいますが、EI−2000はヒューレットパッカードがソフト担当しています。アメリカ人です。かなりアバウトです。一番凄いのはオートホワイトバランスで、「おまえは何考えとるんやーっ」と関西人のボケと突っ込みコンビになってしまうんです。最近のデジカメのオートホワイトバランスはかなり進歩しているにも関わらず、EI−2000のオートな部分はかなりキツイです。ソフトウェアのバグなのか、アメリカ人的「ノー プロブレム」な部分なのか、ちょっと分からないんですよね。 露出計も不安定なのか忠実なのか(笑)、ごく普通の感覚でAFとAEを同時にロックすると、お化けな写真に写ります。まず100%はAEロックをかけておいて、被写体にAFしないとダメです。ですから、AEロックは実に使いやすくボタンと機能が配置されています。つまりは、「原点」である「AFとAEは別物なんだよ」と私たちに語りかけてくれているのでしょう(笑)。 いつものように有明埠頭で撮影した写真を掲載します。コントラストのきついシーンは辛いですね。このカメラはマクロで花の階調を忠実に再現する写真に向いているようです。 追伸:発売当時のベータ機テスト評価記事にもあったんですが、どうもISO感度の設定が露出値によっては怪しい部分が多々あります。低光度でシャッタースピードが低いシーンでは正常に動作していると思いますが、光量の多いシーンでは、ISO感度25ではなく、ISO感度100に勝手にシフトしている気がします。Exifデータでは設定値のISO感度25となってますけれど、ノイズの出方や絞りとシャッタースピードの数値がISO感度100の値の時と同レベルになっていたりします。もうちょっと使い込まないと分からないですね。 共通データ:ISO感度25、クリックすると生画像(400KB前)で表示します。 |