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デジカメ活用術
ワイドマクロとテレマクロ
「デジタルカメラはマクロに強い!」 とはよく言われていますが、実際には「マクロ性能」は個々のカメラ機種によってそれぞれ違った性能であり、「マクロを撮りたいからデジカメは何でも良いだろう」なんて事は全く言えません。ここでは、マクロ性能の違う3機種を使って、その特徴を見ていきます。いずれの機種も光学3倍ズーム(35〜110mm程度)のレンズを搭載したデジカメです。 まず、カタログスペックを見ていて最も標準的なのが 「レンズ前10センチから」 もしくは 「レンズ前20センチから」 と言った所でしょう。 「レンズ前10センチから」と言うのは光学ズームをワイド端に持ってきたときの性能で、大抵はこれらのカメラは光学ズームをテレ端にした時のマクロが「レンズ前20センチから」となります。つまりはだいたいの場合、上の2つのカタログ表現は同じマクロ性能であるとも言えるのです。 なお、「レンズ前20センチから」となっているデジカメはズーム域全域(ワイドからテレまで)でのマクロ撮影距離でレンズ前20センチ前後となっている場合が多いです。 そうなると、ワイド端10センチまで最初から寄れるカメラの方が良さそうに思われますが、実際は最も被写体を大きくアップで写したい場合はテレ端でどれだけ被写体に寄れるかとなり、テレ側での接写性能、すなわち何センチまで寄れるかに掛かって来ます。 言葉で書いても分かりにくいので、実際の画像で見ていきましょう。 標準的な東芝AllegrettoM70で ワイド端でマクロ撮影 レンズ前 10センチ で撮影したのが下の桜の写真です。ピントは中心の桜に合っています。
M70のCCDは大きいほうなので前後のピントの山がはっきり出ていますが主流の1/2.7インチCCDを搭載した200万画素機ならば画像はほとんどパンフォーカスになります。 10センチまで寄った写真を見てどうでしょうか? それ程のマクロとは感じないですね。 そこで、ワイド端で1センチまで寄れるオリンパス C2500Lで撮影したのが下の2枚の写真です。
パッと見ただけでは分かりにくいですが、よく見ると違いがはっきり出ています。 それは、C2500Lではピントはレンズ前1センチに有った最前部の被写体にあり、そこから奥に行くに従ってアウトフォーカスして行きます。M70の場合はピントはレンズ前10センチの場所にある被写体で、それより手前の被写体はボケています。 つまりは、ワイドな画像でダイナミックにマクロを表現出来るのはワイド端で被写体に1センチまで迫れるC2500Lとなります。 次に、テレ端でのマクロ撮影。 先ほどの桜をM70で撮ったのが下の写真。
桜を大きくクローズアップして撮影できています。 とは言え、ごく一般的なマクロ性能のデジカメだとこれが限界。 もっと大きく桜を写したいならば、カメラ本体にクローズアップレンズを装着する必要があります。ミドルクラスのカメラ以上でないと、クローズアップレンズを装着することが物理的に出来ないデジカメも沢山有ります。 そこで、テレ端でレンズ前2センチまで接写出来るマクロ性能を持つEI−2000で撮影したらどうなるでしょうか。以下の2枚の写真です。
どうですか? 桜の花も菜の花も大写しで撮影できました。 これならば人とは違った「一歩踏み込んだマクロ」の世界を堪能出来ます。 とは言え、テレ端でこれ程に寄れるデジカメは少ないので、実際には先ほどちょっと述べましたクローズアップレンズを使って撮影します。 以下の2枚の写真はC2500Lにレイノックスのマクロレンズを取り付けての撮影です。
かなりのマクロ性能でしょう。 M70でも同様のマクロレンズを装着すれば同じようなマクロ撮影が出来ます。 結論としては、自分がどんなマクロ撮影をしたいかで、カメラを選んでみてください。 ワイドなマクロをしたいならばワイド端でどれだけ被写体に接近出来るか(レンズ前3センチ以内が理想)、また、被写体を大きく写したいならばテレ端でどれだけ被写体に接近出来るか(レンズ前5センチ以内が理想)。 マクロレンズを取り付けるのであればカメラに装着が可能かどうかも重要です。 参考にしてみてください。 |
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