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一眼レフ式デジタルカメラ
PENTAX EI−2000
ボケ味とラティチュード
PENTAX EI-2000についてはほとんど何処のサイトにもレポートされていないようなので、デジ研ネットで色々と調べながら遊んでいます。私自身はとても好きなカメラですが、かなりクセの有るカメラの為、慣れるまでは結構大変。つまりはマトモな写真が撮れない。結局、使ってての結論は、「マニュアルモード」で撮影するのがベストです。「オート」の部分が入ると途端に暴れ馬と変化します。 所でこのカメラの「マニュアルモード」の最大の欠点は、プログラムオートの時には出来る「+−0.5EV値」での調整が出来ず、露出は「+−1.0EV値」と、かなりの大雑把な変化しかしてくれません。下の写真の絞り値が細かくセットされているのは、ズーム域によって 0.1EV値ずつ緻密に変化しているのであって、実際は露出の変化はやはり 1.0EV値で動きます。 最初にボケ味。 絞りを開くと大きなCCDとの相乗効果も相まって、かなりボケ味を生かした作図の写真が撮れます。これは小型化されている最新のCCDには間違っても出来ない優れた部分です。素晴らしい。で、面白いのはそのボケの形。デジカメのレンズってメーカーを問わず「キヤノン製」を採用しているのが殆どのため、どれも似通ったボケ具合にしかなりません。つまりはそれらのレンズに見慣れていると、この旭光学のレンズが大変に新鮮に見えてきます。 下の実写画像を見てください。 |
F3.9 1/30s |
F3.9 1/60s |
このカメラの場合、「ビー玉」を散りばめたようなボケ味になります。 背景をトリミングして等倍で切切取り これがレンズの性能として良いか悪いかは別として、他のデジカメとは違った写真が撮れるのは事実。あえてこう言うレンズを使ってるんだと言いたくなる面白いボケ味です。実際はレンズ自体の解像力が不足しているので、内部で反射や収差が収まりきれていないのかも知れませんが、それはそれで、私はこの雰囲気が好きです。 次にラティチュード。 2/3インチCCDでなおかつFT方式ともなれば、飽和容量も大きそうに見えますが、そうはうまく行かないようです。非常にシビアです。ちょっとでも外れると、明るい部分は汚く白飛びします。下の写真をご覧ください。 |
F2.5 1/125s |
F3.0 1/60s |
左側の写真の明るい部分を切取ったのがこれ。 あるレベルを超えると急激に画素が飽和し、白飛びします。完全に色がなくなるので、実に汚い。このカメラの測光方式はスポット・中央・平均の3種類ありますが、通常撮影に使っている平均測光でプログラムオート撮影すると、コントラストがちょっとでもあるシーンでは、ほとんどの画像が白飛びされた部分を伴って撮影されます。これが画像が汚い原因。中央重点測光なんか使っていたら、お化け写真になってしまう時もあります。 これを回避するにはマニュアル露出で撮影する事です。ISO感度を50と低めに設定し、暗部ノイズを抑えることが出来ますから、アンダー気味に撮影するとかなり良い写真が撮れました。なので出来上がる画像は多少ダークな雰囲気ですが、結構重みのあるイメージに見えて、これはこれで良いイメージの写真となります。 下にマニュアル露出で撮影した比較画像を掲載します。 |
F3.9 1/500s |
F5.5 1/500s |
この写真はマニュアル露出で絞り値を 1.0EV値変化させて撮った写真です(先にも述べたとおり、マニュアル露出では+−1.0EVでしか変化できない)。空を綺麗に写そうとすると茂みが潰れる。かと言って茂みを多少明るく写そうとしただけで空はすでに飛んでしまう。かなり難しい、、と言うか撮れない!コントラストのあるシーンは撮れないのであります。 よって、優しい光が差し込むシーン限定のカメラだったりします。 |