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デジタルカメラ研究マガジン デジタルカメラ大実験

一眼レフ式デジタルカメラ
PENTAX EI−2000 
OLYMPUS C−2500L
マクロ撮影

オリンパスのC-2500Lは1999年の夏に発売された機種で、スパルタンとかジャジャ馬とか言われた露出にシビアなカメラです。確かにそのまま撮ってポンのカメラでは無いですが、シーンによって露出を微妙に撮影者が動かしてあげれば、重みのある写真が撮影できます。
旭光学のEI-2000は2000年の秋に発売され、発売前の方が話題になっていながら、その存在はそんなに多く知られていない静かなカメラです。EI-2000の場合、同じ2/3インチの大きなCCDですが、どちらかと言うと派手な光のシーンは苦手のようです。反面、今にも雨が降りそうな曇天空の下で撮影すると、他のカメラでは出ないような微妙な階調表現をしており、これがフレームトランスファー方式の懐の深さなのかなと感じました。但し、飽和点は低いので、露出オーバーの部分は簡単に白飛びします。
この2機種に共通するのは、どちらも生産終了。もう店頭では売ってないカメラだったりします。なんでそんなカメラを今更ってお思いなのもごもっともですが、何といいますか、どちらも過去のカメラとして終わらせてしまうのはもったいない。もったいないのでこの先続くデジタルカメラの歴史の軌跡として、やっぱり取り上げていきたくなってしまったからです。何かの役にも立つでしょうから、何回か書いてみようと思います。

C−2500L と EI−2000 の外観比較



左:C-2500L  右:EI-2000
まず外観比較。
レンズの長さはC-2500Lが長く、それ以外のボディーはすべてEI-2000がデカイと言った感じ。ホールディングの安定感はC-2500Lに譲りますが、EI-2000もその巨体と重さで持ったときの安定感はかなり良いです。EI-2000の方が丸っこい、何か宇宙服みたいな近未来的柔らかさが有ります。
動作速度はC-2500Lが何かと早く、毎秒1.2コマで5枚連続撮影が可能。EI-2000は2秒に1コマで3枚まで。その後は両者メディアに書き込み作業が入り、何秒か待たされます。と言っても最近流行りの「液晶ビューファインダー」とは違い光学一眼レファインダーですから、待たされている間に画像がブラックアウトしたりはせず、何と言っても撮影中も被写体をロストする事が無いのが、一眼レフカメラの最大の特徴。実に撮りやすい、カメラ本来の姿。
EI-2000は光学ファインダー内に露出値を含めたいくつかの情報を表示してくれていますので、一度ファインダーを覗き撮影を始めたら、ずっとそのまま被写体に集中出来ます。C-2500Lの場合、どうしても露出値を確認するために一旦カメラのLCDか液晶モニターを見に行かなくてはなりません。
絞り値はC-2500Lは2段。開くか閉じるか。と言っても、このカメラのシャッタースピードは1/10000秒まで上がりますので、明るいシーンでも開放値に放り込んでおいても大丈夫だったりします。EI-2000の場合は細かく設定出来ます。微妙に設定出来ますが、デジカメって被写界震度が深いですから、絞りを1段いじったからってそんなに変化したりしません。

EI-2000の背面の液晶モニターはパカっと上に跳ね上げることが可能です。


EI-2000の液晶モニター

当時の本にはマクロ撮影にも便利とか言ってますが、実際屋外では何が写ってるんだか確認出来ません。遮光フードを自作しないとダメでしょう。更にはDigitaの特徴と言うのか、リニアに表示させても動きがカクンカクンカクンとなり、まともに見れません。


マクロ撮影での両者の違い

C−2500L
ワイドマクロで2センチまで接写可能

EI−2000
テレマクロで2センチまで接写可能



この2機種の特徴のひとつがマクロ機能。被写体まで2センチの距離に迫れます。ところが、C-2500Lはワイドマクロ。EI-2000はテレマクロで、これが全く表現が異なります。上の写真を見れば一目瞭然。EI-2000のテレマクロは被写体を目一杯撮影できます。
これを利用してド迫力で撮影したのが下のEI-2000の撮影例。


EI-2000のマクロ撮影例

薄曇り、この撮影シーンでは小雨が降っていましたが、淡い色乗りの階調は絶妙。どことなくピントが柔らかいのもこのカメラの特徴みたいですね。手持ちで撮影していたのでISO感度は50にセットしてますが、三脚使ってISO感度25にすると、更にワンランク上のなめらかさになります。素晴らしい。



C-2500Lの場合は連写がそこそこ効くので、狙ったシーンを何枚も続けて撮影し、決定的瞬間を捕らえることもEI-2000よりは容易にできます。また、ピントの合う範囲が広くなっていますから、失敗作品も少なくなります。


C-2500Lのマクロ撮影例

風の吹く瞬間を連射し、その一枚が綿帽子から種子が離れる瞬間を捕らえることが出来ました。やっぱりこう言った動きのあるシーンはキビキビしているカメラでないと難しいです。


私自身はどちらも現役で使って行きたいカメラなので、それぞれの特徴を生かしながらレポートして行きます。

2001年5月25日
デジタルカメラ大実験