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デジタルカメラ研究マガジン
マニュアルフォーカスレンズで遊ぶ!
第1回
ペンタックスのレンズの知識編
最近はデジ研らしいレポートを全然してなくて申し訳ないです。カメラは色々と増えてますが、昔のようにデジカメの可能性を求めて日々楽しむ時代は過ぎてしまい、今はデジカメでなんでも出来る、出来ないことはない時代になっています。情報はネットですぐに手に入るし、当たり前のことを書いても面白くないもんね。

久しぶりのレポートなんですが、すでに改めて書くべきものでもないとはいえ、まだ興味はあるが足を踏み入れていない人の為に、ちょっと書いておこうと思います。古い時代のマニュアルフォーカスレンズを使うことはずっと前から「FD−EOS」としてやっています。でもね、キヤノンのデジタル一眼レフで遊ぶよりも、ペンタックスのデジタル一眼レフカメラで遊ぶのがとっても楽です。

K100Dと 50mm F2.0の組み合わせ

ペンタックスの*istDやKシリーズでの大きなメリットは2つ。

・MFでもピントが合ったところでカメラがピピっと教えてくれる。
・とにかくファインダーが見やすい。

これはマニュアルフォーカスレンズを使う上で必要にして最大の武器です。
キヤノンにしてもオリンパスの「Eシリーズ」にしてもマニュアルフォーカスレンズを使う上ではピントは目視で判断するのみです。見やすいファインダーなら良いのですが、E-500なんかはファインダー像が小さくて疲れます。明るいレンズを使っていればそれなりに見えるんだけれど、例えばF2.0以上に絞りを開けられるレンズはたとえピントが良く分かっていても実画像は中心解像度が低すぎてボヤっとした画像にしか写りません。最低でもF2.8は絞りたいです。絞れば絞るほどにファインダーも見えにくくなる。
その点、ペンタックスのデジタル一眼レフはペンタプリズムは勿論ですが、ペンタミラーにしてもファインダー像が大きくてとても見やすい上に、ピントが合えばカメラがスーパーインポーズでファインダーの中心のフォーカスポイントが赤く光って教えてくれます。

それともうひとつ加えると、

・「A」レンズならば絞りもカメラで制御できる。つまりはプログラムAEが可能。

これは重要。
「A」と「M」については以下で説明しますが、「A」レンズではレンズの絞り値情報をカメラ側に電気信号で伝達できます。つまりは、カメラで絞りをF4.0にしたいと設定すれば、撮影時に自動的に絞り優先AEにも出来ますし、面倒だからとプログラムAEに放り込んでおけばカメラの露出プログラムに沿って自動的にレンズの絞りを制御してくれます。これは本当に便利。裏を返せば絞り開放の明るい状態でファインダーを覗くことが出来る開放測光が可能で、シャッターを切ったときだけ実際の絞り値に絞り込まれます。

他のデジタル一眼レフの場合、レンズの絞り値を動かして「絞込み測光」でファインダーを覗かねばならず、ただでさえ見にくいピントの山を、絞って暗い状態で確認しなければなりません。また、レンズとカメラの組み合わせによっては絞り込むことも不可能で絞り開放でのみ撮影することしか出来ないものもあります。

ちょっと難しかったでしょうか。

ペンタックスの話に戻ります。


ペンタックスのレンズは大きく分けて一番古いM42マウントとそれ以降、現在にも続くKマウントの2種類です。ここではKマウントについてのみ触れます。マニュアルフォーカスレンズの時代では上記写真でも分かるように「PENTAX−A」と「PENTAX−M」の2種類のロゴがありまして、これは性能的に「A」の方が絞りの情報をカメラに伝達する電気信号のラインを持っています。

上記の写真を良く見ていただければ分かりますが、銀色のマウントの一部(写真では上側)に接点が存在しているのが分かると思います。中古市場では「M」レンズはとても安いです。「A」レンズの半額以下かとも思います。上記のレンズで参考までに言うと、Aレンズの50mmF2.0が1万円くらい。Mレンズでレンズの明るさ性能では格段に上の50mmF1.4のレンズは5000円しないかも。レンズは開放F値が明るければ明るいほど性能が上がっていると思って良しとすれば、F1.4のレンズがとても安く手に入ればそちらを選ぶのが普通です。でもそこは「M」レンズ。ごく単純に、ピントあわせに集中して撮りたければ高くても性能が落ちても「A」レンズを選んでください。

PENTAX−A

PENTAX−M
ペンタックス純正レンズでなくても見分け方は絞りの刻印の所に「A」とか「P」とか書いていればAレンズです。使うときは刻印の横の小さなノッチを押しながら絞りの設定を「A」のところに放り込みます。

「M」レンズは使えないのか?
いえいえ、そんなことはありません。ハイパーマニュアルモードが備わっています。
これが便利この上ない機能で、最初に開放絞りでピント合わせをしますね。明るいレンズならばとても見やすく確実に合わせられます。そのままシャッターを押すと開放絞りでカメラが測光した状態で撮影した写真になりますから、レンズの絞り値を開放以外に動かしていた場合、露出値が狂ってまともな写真は撮影できません。これはペンタックスのデジタル一眼レフの場合は「M」レンズであってもカメラ自身が絞り羽を動かすことが可能となっているからです。他のメーカーのデジタル一眼レフカメラの場合はカメラ自身がレンズの絞り羽を制御するなどは全く不可能です。

しかし、ペンタックスのデジタル一眼レフの場合は「AE−L」ボタンを一回押してやります。すると、例えばレンズの絞り値をF4.0にしていたとした場合、カメラが自動的に一度F4.0まで一瞬絞り羽を絞り込み、その一瞬の間に測光も完了します。よって、この後にシャッターボタンを押せば、適正露出で撮影が可能となります。これがハイパーマニュアル。良く間違えるのはカメラの絞込みボタン。ペンタックスの場合は電源スイッチの所に一緒に絞りの丸い羽のような形でマークがついていますが、これは単に絞り羽を動かして絞り込んだ具合をファインダーで確認するもの。露出の制御まではしてくれません。このハイパーマニュアルは初代の*istD以外にもどのカメラでも使える機能です。


実際のマニュアルフォーカスレンズでの撮影ではカメラのメニューからいくつかの「おまじない」の設定をしてあげる必要もあったり、ボディーのフォーカスモード(上記写真)を「MF」に切り替えてあげる必要があったりします。特にこのフォーカスモードをAFのままにしていると、ピントが有った時のタイミングでしかシャッターが切れなくなり、撮影しているとシャッターが不安定でカメラが壊れたのかなと間違えてしまいます。初歩的なミスですが、これが結構最初は焦って間違えてたりするんですよ。

最後にK100Dについてのみの設定なんですけれど、手振れ補正の設定をします。

マニュアルフォーカスレンズで「A」レンズを取り付けたときに電源スイッチを入れた直後に現れる画面が上記のもの。レンズ焦点距離を手動で設定してあげます。ズームレンズの場合はレンズの焦点距離の真ん中ぐらいの数値で良いと思います。これは手振れ補正のデータをカメラが知る上で必要になるようです。「M」レンズの場合は電源を入れたときにはこの画面は出現してきませんが、メニューから呼び出せば手動で変更できます。

次回は実際に撮影した画像を載せて行きます。
結構良い写真が撮れますよ!

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