PART 2 「ゾエア幼生の孵化」
抱卵しているヒライソガニは、いつゾエア幼生が孵化するか分かりません。他の個体とは分けて昆虫採集用に使う小型のプラスチックの容器にたっぷりの海水ごと入れて観察します。


お腹の部分に小さな卵をたくさん抱えています。
ちなみに、カニは初産の時が一番抱卵数が多く、2万個以上とも言われ、2回目、3回目と次第に卵の数が少なくなっていきます。

昼間のうちに小さな容器に移し替えていたメスのヒライソガニは、その10時間後、感動的な孵化シーンを迎えたのでした。



お腹を少し開いて口元をすばやく動かし水流を作ります。その流れに乗ってゾエア幼生が飛び出していきます!



たちまち小さな水槽の中は動き回るゾエア幼生で一杯になりました。



透過光で観察すると動く様子や形も観察できます。でも肉眼では余りに小さすぎて良く分からないかもしれません。デジタルカメラに目いっぱいのクローズアップレンズを取り付けて撮影にチャレンジして見てください。



高倍率ズームのデジタルカメラに高倍率のクローズアップレンズで撮影したゾエア幼生。目もふたつ付いていてミジンコみたいな形です。とてもカニになるとはまだ思えませんね。

ヤドカリも同様に孵化しますが、ヤドカリの場合はメスは殻の中のお腹に卵を抱卵している為、外から見ても行動を見てても卵を抱えているのか分かりません。私はいまだにヤドカリのゾエア幼生が飛び出しているシーンを見たことは無いです。

このゾエア幼生からの飼育はとても大変な作業となりますから、もっと詳しく知りたい方はネットで色々と調べて見てください。海水濃度とエサの問題で育てることが困難になります。ブラインシュリンプの卵でさえこのゾエア幼生の口には大きくて入らないそうです。微生物の生きた植物プランクトンが必要です。

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