QV−2800UXは2000年の秋にリリースされた機種で、その後2001年夏にリリースされた後継機のQV−2900UXに取って代わられた今となっては過去のデジタルカメラですが、このシリーズはなかなか私の心をくすぐるナイスなセンスを秘めていますので、ここで触れたいと思います。
このデジタルカメラの最大の特徴は、何と言っても光学8倍ズームと、回転レンズ式ボディーでしょう。これだけで他の同列な画素数のカメラと全く違った写真が撮れる可能性を秘めています。更に特質なのはそのレンズ。なんとレンズ前1センチの超マクロから、光学8倍のズームをシームレスで併せ持つのはこの機種以外にはありません。但し、マクロモードにすると光学1.6倍(35mm換算64mm相当)までのズーミングになってしまいますが、はっきり言って1センチマクロの凄さはマクロ命の私にとってみても凄いです。倍率が低いですから、アリンコを大写しにする能力ではなくて、とにかく被写体に近づいて見る能力に優れているマクロ性能です。
以下、サムネイル画像はクリックすると元画像を表示します(600KB〜900KB)。
F3.2
1/680s
タンポポの綿毛
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マクロと言うと「お約束」のタンポポの綿毛です。マクロモードではズーム倍率が1.6倍までになっていますが、前後のボケ味はとても低倍率とは思えないほど綺麗にボケてくれています。よって、ピント合わせは結構シビアです。
下の写真は三ツ葉を逆光で撮影。雰囲気を出すため背景を締めれるように-1.0のマイナス補正をしています。
F3.2
1/467s
-1.0EV
三ツ葉
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F4.8
1/971s
シダの葉
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シダの葉っぱの写真は、マクロモードですが、それ程寄らずに撮影しています。1センチから撮っても、50センチ離れててもマクロモードの範囲内なので、コンバージョンレンズ無しで撮影出来るのは凄い楽です。
但し、このカメラも問題点が勿論有り、それはレンズに潜む盛大なハレーション。
F3.2
1/292s
強烈なハレーションが最大の欠点
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上の写真は逆光で撮影していますが、レンズに太陽の光が直射されると、この様な物凄い強烈なハレーションが発生します。これも演出と考えればこのカメラの個性で良いかも知れませんが、写真を知らない人だと心霊写真とか騒がれそうなぐらい、赤とか青とかのフレアが発生します。なので、太陽の光が入らないようにレンズの向きに気をつけないとなりません。
F3.2
1/334
望遠撮影
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望遠能力の光学8倍ズームはかなり使えます。上の写真は手持ちだったんで絞り開放にしてますが、奥の山、高圧鉄塔、人物、手前の草のバランスも圧縮効果で良く撮れています。望遠側では偽色の発生が現れていますが、オリンパスのC−700UZみたいな目も当てられない程の強烈な物ではないので助かっています。
F8.0
1/427s
夕景
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最後に夕景の写真は絞りを最大に絞っての望遠撮影。ピントもうまく奥までパンフォーカスに近くなってます。太陽の強烈な水面反射も、小さな波の山と谷1つ1つでうまく描写できており綺麗な夕景の反射になっているのが解ると思います。中心の赤いモヤはハレーションで、これも雰囲気で良いのですが、無ければそれに越したことは無いでしょう。
総括なんですが、やっぱり1/2.7インチの小型CCDの辛さは有りますが、望遠性能とマクロ性能は特質なので、ある程度画質的に割り切って、それで写真を撮る行為を楽しむ向きには長く使っていけるデジタルカメラです。FINEモードでも900KB以下ですから、常時最高画質で撮影すれば、極小CCDのデメリットを多少は回避して解像力をアップできますから、FINEモードで撮影することをお勧めします。
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