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デジタルカメラ研究マガジンデジタルカメラ大実験

FinePix S5000
マクロは行けるぞ! 編


画質的に結構厳しいことを書いて来たS5000ですが、マクロ撮影をメインにすればかなり使い道があります。但し、カメラ単体でのマクロ能力は乏しいので後述しますマクロレンズとの組み合わせでの撮影となります。

最初にカメラのマクロモードのみで撮って見ます。


マクロモード
ズームはワイド端
被写体まで10センチ


マクロモード
ズームはテレ端
被写体まで90センチ

花は3センチ程度の小さなものです。
カメラをマクロモードにセットすると、ズームレンズをワイド端の時に被写体まで10センチ、テレ端の時に被写体まで90センチ寄って撮影することが可能となります。高倍率ズームなので性能的には一般的なレベルです。ワイド端で10センチまで寄れるのはかなり魅力的な数値に見えますが、実際の絵を見ればそれ程のマクロでは無いことはお分かりになると思います。テレ端でのマクロはワイド端よりも撮影倍率が少なくなっていますが、背景をボカす効果が大きいので、美しく撮るにはズームして撮ると良いでしょう。

参考までにFinePix S602のスーパーマクロモードを載せておきます。スーパーマクロモードはレンズから被写体までの距離が1センチまで可能で、ズームはワイド端固定になるマクロモードです。ワイドマクロを楽しむならばこれぐらいのカメラの能力は必要です。


S602で撮影したタンポポ
スーパーマクロモード
ズームはワイド端固定で被写体まで1センチ

S5000がマクロに向いているのはいくつか有ります。1つ目はコンバージョンレンズアダプタが標準で付いてくること。一般的にレンズ繰出し式デジタルカメラではコンバージョンレンズアダプタはメーカーオプションとして別売りです。お店にも常時置いていないので取り寄せする必要もあり、余分な出費もかかりますが、S5000はその必要はありません。

2つ目はエリア選択AFが49点も任意に指定できること。ほぼ画面上のすべての位置を選択できます。これはマクロの場合最大の武器で、超マクロでは中心で合わせた後にカメラを振って構図を決めなおすと、必ずピントの山が外れてしまいます。但し、AFエリアの選択の際にその都度メニューを呼び出さなければならないのは少々面倒。連続撮影中ならメニューがAFモードを記憶していますが、一度電源を切ったり再生モードにしてしまうと、メニューの頭からAFモードを呼び出さなければなりません。S602では専用のボタンが有ったのに比べると、その点は使いにくいです。

3つ目はポップアップ式の内蔵フラッシュ。マクロの場合、レンズと被写体との距離が短くなります。フラッシュはレンズの光軸より離れるほどにフラッシュ光がレンズをケラレる事が少なくなります。この点、S5000はポップアップ式なので極限のマクロでは無い限りはケラレる事は無いでしょう。

ここではS5000にレイノックスのマクロレンズ「DCR−250」を取り付けて撮影して見ます。10倍ズームにもなるとマクロ倍率も高くなりますから、丁度この程度のマクロレンズがピッタリときます。また、DCR-250のレンズとS5000付属のレンズキャップの径がピッタリとはまるのも良いです。


レイノックスのDCR-250を装着した図

10位ズームのテレ端では細心の注意が必要です。ちょっとした事でブレますし、ピントも正確に当てないと山を外します。下のセミの写真はテレ端での撮影。フラッシュを使わないので絞りは開放、よって被写界深度が浅い為、目の付け根に生えている毛にピントが合っても、それ以外の部分はボケる程に合焦範囲は狭いです。だいたい1mm前後。


セミの接写
ズームはテレ端

通常は超マクロの場合、フラッシュを併用して絞るか、明るいシーンで撮影するとうまく撮ることが出来ます。参考までにS5000で撮影したマクロ画像を以下に掲載しておきます。見てご覧頂ければ分かりますが、マクロではピントが合ったところ以外は大きくボケます。よって、多少解像力が弱いCCDであっても、何ら支障は有りません。むしろ、S5000はマクロを撮りやすく、FinePixカラーをクロームに設定することで深みのある写真が撮れるのは特筆です。
このマクロ画像を見ると、もしかするとS5000の事、見直して欲しくなった人出るかもしれませんね。

共通撮影データ
FinePixカラー クローム
シャープネス 標準
ISO感度 200
WB 太陽光


テレ端
エリア選択AFでチョウの目に固定
FinePixカラーのクロームは深みがある

テレ端
ホテイアオイの花
シベの解像力程度なら綺麗に表現

ズーム6倍
内蔵フラッシュ使用
細かな部分の表現は苦手であるが必要充分。

ズーム6倍
内蔵フラッシュ使用
フラッシュ炊いて絞ればメリハリ出ます。

テレ端
被写界深度は極浅になります。
ボヤっとしたシーンならS5000は得意。

テレ端
こう言うシーンはハニカムで撮ったなんて、
全然分からないんじゃないかな。
まだまだ続くよ、
FinePixカラークロームでノイズが消える!?編へどうぞ。

2003年8月29日
デジタルカメラ大実験