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デジタルカメラ研究マガジンデジタルカメラ大実験

FinePix S5000
FinePixカラークロームでノイズが消える!? 編

使い込んで来て気が付いたんですが、FinePixカラーをクロームに設定すると嫌らしいハニカムノイズの出方が変化して、見た目かなり良い印象になります。クロームに設定するとコントラストが高くなり、ノイズも多くなると他の雑誌に書いても有りますし、その先入観も有って良くなるとは思っていなかったのですが、確かにある種のノイズは出ますがメリットも大いにあります。

クロームにした際に出現するのは空のような平面の部分にハニカムノイズ特有のザラザラ感が現れます。しかし、部分的にアンダーな印象に見えるかも知れませんが、コントラストが高くなるため、単に露出をマイナスにかけたのとは違い、明るい部分はハッキリと、暗い部分はよりツブしてしまう処理を掛けているようです。よってFinePixカラースタンダードではゴチャゴチャしていた画像も、暗部が潰れることにより、陽炎のようなゾワゾワとしたハニカムノイズが見えにくくなり、全体を見れば綺麗な印象になります。
何により、不思議なのは解像力がアップするのです。下の風景写真で見ていただければ一目瞭然。等倍で切り出した比較画像で、スタンダード設定で新幹線が走っている高架橋の部分が、クローム設定ではハッキリとした解像力で表現されています。これは6Mモードのみに限らず、すべての画素モードで試して見ましたが、いずれも解像力がアップしていました。

ある種、シャープネスを掛けた感じとなりますが、メリハリがはっきりしている分、単にシャープネスを掛けただけではなく、見えなかった部分も浮き出てくると言ったところです。しかし、明るい部分は問題ありませんが、暗い部分がツブれるのに抵抗感がある方には不向きでしょう。相当にツブれますから。
私はスタンダード設定がまるで油絵で描いているようで好きになれませんから、パンチの効いたクローム設定は好感持てます。クロームの色味を好む人ならば、S5000は意外にも奥が深く良いカメラだったりするかも知れません。まだシャープネス設定もいじる余地も有りますし、更なるチューン出来そうですよ!

FinePixカラー スタンダード FinePixカラー クローム







フラットな画像の印象。
特に新幹線の高架橋に注目して比べて欲しい。

平面部分(橋の欄干)にはハニカムノイズが出没。
暗部はよりツブレる。
鉄道の高架橋のディテールは浮き出てきた。



FinePixカラー スタンダード FinePixカラー クローム





輪郭部分に陽炎のようなハニカムノイズが特徴。


暗部はより深い色になる為、葉っぱの輪郭部分は、
特に陽炎のようなハニカムノイズが無くなっている。


FinePixカラー クローム設定
ISO感度200
WB 太陽光固定
シャープネス 標準
クリックすると6Mモードの実画像を表示

シャドウ部は根性で潰される為、
ある意味ドロドロ感が見えにくくなった。

流石に毛並みのディテールは溶ける。


ゴチャゴチャしている部分の処理は、
やっぱり不自然なのには変わりませんが、、。

メリハリは付きます。
ちょっと息抜き、デジタルズーム 編へ続くのだよ。

2003年9月 1日
デジタルカメラ大実験